東京新聞で作る岳人もいよいよあと2回となりました。6月15日発売のラスト2という号にて、特集を担当いたしました。タイトルは「6人のクライマー 30の質問」。
これは岳人でのかつての好評連載「30の質問」を1回だけ復活させた、インタビュー集となります。誌面を作るうえでインタビューは、回答者の力が8割以上だとぼくは思います。完全にぼくらインタビュアーは黒子。とはいえ資料をなるべく多く読み、気持ちよくインタビューを進める努力も相当なものですが。なんといいましょうか、文章を生む苦しみはなかったからかもしれませんが、びゅんと編集作業を終えた気がしました。
さて、この特集は30の質問の二番煎じです。でも当時読者だったぼくはこのページが好きでしたし、担当者の山本修二さんも快くこの企画に参加いただけました。「いい企画だね、ありがとう」と仰っていただき思わず涙腺がゆるんでしまったほどです。今回も各先輩方の担当ページを見て自分の未熟さを痛感した次第ですが、今後こういった先輩方と疎遠になってしまうのが本当に悲しくもあります。
6人のクライマーはぼくと編集部にて、これからの世代を担う若手&ちょっとベテランという観点で選ばせていただきました。影響力のある人から今後注目されてくるのではという予想も含め、これはほぼ主観です。
自画自賛する訳ではありませんが、こうしたインタビューは今後生まれにくいと思います。出版業務が譲渡される側ではスポンサーがらみがありそうでそもそも成立しにくい、また他の競合誌でアルパインクライマーにここまでスポットが当てられるか、という問題にも直面するでしょう。だから今このタイミングで、という気持ちがありました。おそらくインタビューに応じてくれた方も「東京新聞の岳人だから」という思いもあったと思います。いま脚光をあびている彼らにだって未熟なときがあり、そんなときは岳人から大きく影響を受けたといいます。登山を真剣にやっている人たちに本当に愛された雑誌だったと思います。
人生ではじめて持った連載が岳人の山道具ページでした。ピンチのときに救いの手を差しのべてくれたのも岳人でしたし、いろんな山の思い出も岳人のロケだったりします(ずいぶん自由にやらせていただきました)。
いよいよあと1回。これといった大きなアクションはないと思いますが、全力で取り組みたいと思います。